長野県小川村で、有機JAS認証を取得し、有機農業に取り組んでいます

2011年6月12日日曜日

不耕起田にまつわる話し

<p>今年田植えをした田は2枚で一反三畝。</p>

<p>一反の方は普通に代掻きした田。</p>

<p>もう一枚の三畝は不耕起田である。</p>

<p>不耕起とは読んで字のごとく、全く耕さないで栽培するというもの。</p>

<p>不耕起栽培のメリットはさまざまな文献が出ているので、素人の僕が説明するより、そちらを参考にしてもらえばよいが、動植物の生態系を壊さないことや、トラクターなど大型の機械が必要ないなど、僕にとっては魅力的な農法である。</p>

<p>しかし長年にわたり、耕すことが精農家されよく耕すことで代々大切な田畑を維持してきたという経緯がある。</p>

<p>しかも田んぼは代掻き命と言われるほど、皆丁寧に代を掻く。</p>

<p>そこにきて、荒起こしもしない、代も掻かないで田植えをするということはとんでもないことという認識なのだ。</p>

<p>僕もいきなり一反の田で不耕起をやる勇気はなく、まずは三畝の小さい田で実験的に行ってみたいと思い、今年初めてチャレンジした。</p>

<p>近所の人には田植えが終わった後で、あそこはいつ代掻くだ?と聞かれるほどいわゆる田んぼとは全く違う様相。</p>

<p>そして数日前のこと。</p>

<p>小川に越して来てから何かとお世話になっていて、今の田んぼを借りる話しをつけてくれたじいちゃんと行き会った際、かなり怒った口調で「お前、あの田はどういうつもりだ?」と言う。</p>

<p>僕が実験的に不耕起でやりましたと答えると、「何が実験だ、あんなやり方するなら来年は貸さん」と。</p>

<p>その時はそのじいちゃんは相当怒っていたし、いろいろ説明しても言い訳がましくなるだけと思い、僕は黙っていた。</p>

<p>不耕起でやると決めたとき、周りの反応は多少心配はしていたが、ここまでなるとは思っていなっかた。</p>

<p>でも昔からこの地で延々を耕し続け、守ってきた田畑をあんなやり方されたことに我慢ならないということだろう。</p>

<p>僕はよそ者で経験もないし、村のしきたりや経緯も分からないことは多い。</p>

<p>郷に入れば郷に従えというように、出来る限りのことはしていきたいと思う。</p>

<p>しかしやりたいことを曲げてまでということとは違うと思っている。</p>

<p>時間はかかるかもしれないが、態度で示していけばよい。</p>

<p>ここはひとつよそ者の変わり者と思って大目に見ていただきましょう。</p>

<p>しかしああやってストレートに面と向かって言ってくれる人というのは有り難い存在です。</p>

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