2024年大晦日
この1年を振り返って。
畑のこと。
ズッキーニやインゲンなどの果菜類の栽培面積を今年は前年に比べ、かなり減らしました。特にズッキーニは過去一番やっていた1.2ヘクタールから40アール、インゲンは15アールから2アールまで減らしました。
面積が広いとその分、細やかな管理作業が難しく、結果良いものが採れず収穫量も減ってしまうという経験をこの数年でして、手をきちんとかけられる面積で秀品率、収量ともに上げていきたいというのがその理由です。
管理作業が多くかかる作物は当然面積を広げると人手が必要になり、人員確保の難しさ、人件費がかさむのも大変になってきたということと、近年の気候は就農当時の10年前に比べ確実に変わってきていて、特に夏場の高温、干ばつ傾向はひどく、今まで以上に手をかけないとまともな野菜ができなくなっているということも大きな要因です。
特に小川村は農業の盛んな地域に見られるような、基盤整備がしてあり水路が確保されている畑はなく、昔ながらの地形のままの畑がほとんどです。昨今の暑さと干ばつで水やりをしないと野菜が育たなくなっていますが、水路の来ていない畑での水やりはとても大変です。山から出ている水をパイプで何百メートルも繋げて引っ張ってきて、タンクに溜めてポンプで水やりをするのですが、このような方法ではとても大きな面積をカバーすることはできず、今年の選択として面積減をさらに進めることにしました。
結果としてインゲンなど水を多く必要とする野菜は、しっかりと水管理ができたおかげで狙い通り収量、品質共によくできました。ズッキーニは前半は良かったですが、7月末〜8月頭に定植し、9月以降に収穫予定のステージでは芳しくなかったです。
カブ、小松菜、大根などの秋野菜は9月に入っても気温が下がらず、発芽率が落ちたり虫害がひどく、苦労しました。何度も種の播き直しが必要でした。ただ大根だけはとても上手くいきました。良かった要因として考えられるのは畑の土目の影響が大きいと感じています。基本粘土質の強い畑が多い小川村ですが、今年大根を播いた畑は粘土質ではありますが、比較的軽めの土で、高畝にし通気性の良い物理性を確保できたおかげで、発芽その後の成長も順調に進みました。発芽でこけるとその後の生育もいじけた感じになり虫害にも遭いやすく、逆に発芽が順調だとその後の生育も虫に負けず(被害はありますが、葉の展開の方が勢いがよく虫害が気にならない)育つということがよく分かりました。
野菜の栽培面積は減らしましたが、全体の耕作面積は年々増えています。その分大豆と小麦の作付け面積が増えています。大豆、小麦は野菜に比べると格段に手がかからないので、面積をこなすには良い作物です。ただそれなりの面積となると収穫や調整に必要な機械は大型になり、とても個人で揃えられる代物ではありません。幸い、小川村には農林公社という組織があり、大型の収穫機や乾燥、選別などを行う設備が整っていて、作業を委託できるシステムになっています。
これからのこと。
今後も高齢化で農作業ができなくなる人が増え、耕作を頼まれることが多くなっていくのは間違いなく、農林公社との連携がますます大事になってきていると感じています。
昨年から今年にかけて高齢で畑を続けられなくなり、引き受けてくれないかと頼まれることが増えてきました。ただ自分も現在3.8ヘクタールという面積を耕作していて、現状では手一杯です。よっぽど条件の良い畑でないと引き受けることができない状況で、申し訳ないと思いながらもお断りしている状況です。今後のことを考え、どのように小川村の農地を維持管理していくのか、(または管理して行かないのか)ということに向き合い、小川村全体をみたビジョンを持つ必要があります。自分一人では限界があるので、自分がどう動くのが村にとって、自分にとって、明るい未来が開けるか、考え行動していきます。
小川村で農業をしていく意味をずっと考えています。
自分の役割がなんなのか、少しづつ分かって来ました。
来年はもう少し具現化して動いていけそうな気がしています。
今年もたくさんの人に支えられ1年過ごすことができたことに感謝です。
皆さま、良いお年をお迎えください。
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